投資家の間で最近人気になっているのが不動産クラウドファンディング。
不動産クラウドファンディングを選ぶ際には、利回りを判断基準とする人も少なくありません。
しかし、利回りについてあまり詳しくない人も多いのではないのでしょうか。
そこで今回は不動産クラウドファンディングにおける利回りの基礎知識や分配金による税金について解説していきます。
不動産クラウドファンディングの利回りとは
不動産クラウドファンディングの利回りとは、投資した金額に対する収益のことを指します。
もし仮に、100万円を投資して5万円の利益を得ることができれば、利回りは5%です。
一般的には年単位で表すことが多いので、利回りではなく「年利」とも呼ばれています。
不動産クラウドファンディングでは、配当金額が確定されていないことも多く、「想定利回り」とも表現されることが多いです。
想定利回りであっても利回りとの計算方法は変わりません。
配当金額÷投資金額=想定利回り |
想定利回りはあくまでも予想でしかないので、ファンドの運用がうまくいかない場合には減額になる可能性も十分あります。
ただし、不動産クラウドファンディングにおける想定利回りは大体3〜8%程度となっているので、他の投資に比べて利回り率が高いのも不動産クラウドファンディングの魅力と言えるでしょう。
預貯金(普通預金) | 約0.001% |
株式投資 | 約1.96% |
J-REIT | 約3.32% |
ソーシャルレンディング | 約3~8%程度 |
不動産クラウドファンディングの分配金について
不動産クラウドファンディングの分配金とは、不動産を運用したことで最終的に発生した利益を投資家に分配する金額のことです。
事業者が収益を得る方法は、物件に住んでいる入居者が賃貸料によって収益を得る「インカムゲイン」と購入した物件を高い価格で売却して収益を得る「キャピタルゲイン」の2つの方法があります。
インカムゲインは、入居者がいることによって分配金を受け取ることができるので、非常に安定しています。
一方のキャピタルゲインは、景気の影響により物件が想定よりも高値で売却されることがあります。
そのため、想定していた分配金よりも多く受け取れることも珍しくありません。
逆に不動産の価格が予想よりも下回る可能性もあるので注意が必要です。
不動産クラウドファンディングの分配金は、銀行口座もしくはクラウドファンディングのサービスにあるデポジット口座に振り込まれるので、投資家は面倒な手続きを行う必要がありません。
不動産クラウドファンディングの分配金にかかる税金
不動産クラウドファンディングの分配金にかかる税金は「雑所得」という扱いになります。
雑所得とは、「利子所得、配当所得、不動産所得、事業所得、給与所得、退職所得、山林所得、譲渡所得及び一時所得のいずれにも当たらない所得」のことです。
しかし、分配金を受け取る前にあらかじめ事業者から源泉徴収されることがほとんどなので、納税する必要はありません。
ちなみに源泉徴収される金額は分配金の20.42%(所得税20%+復興特別所得税0.42%)です。
投資額が100万円に対して分配金額が5万円の場合には以下の金額が源泉徴収額となります。
5万円×20.42%=1万210円 |
上記の金額を差し引いた金額3万9,790円が分配金の手取り額として振り込まれるのです。
先ほど納税する必要が無いと説明しましたが、確定申告を行わなければいけない人もいます。
それは、雑所得が20万円を超えている人です。
分配金以外にも以下のような項目は雑所得になります。
- 年金や恩給などの公的年金等
- 業務に係る雑所得
- 著述家や作家以外の人が受ける原稿料や印税、講演料や放送謝金
- アフィリエイト収入やインターネットオークションの売金
- 営利を目的とした継続的な副業
- 生命保険契約等の個人年金保険
- ビットコイン等の暗号資産を売却又は使用することによる利益
- 外貨建預貯金の為替差益
- 非営業用貸金の利子
- 税務署等からの還付加算金
そのため、不動産クラウドファンディングの分配金では20万円を超えていなくても、他の雑所得と合計した金額が20万円を超えている場合には確定申告が必要になるのです。
確定申告を行わないと無申告加算税が課されてしまい、納税額が増える可能性があるので注意しましょう。
まとめ
今回は、不動産クラウドファンディングにおける利回りの基礎知識や分配金による税金について解説しました。
不動産クラウドファンディングの利回りは、他の投資に比べて高いので非常に魅力的です。
しかし、利回りだけではなく、投資の対象物件や運用会社の実績なども判断した上で決めることをオススメします。
また、配当金は源泉徴収された状態で振り込まれますが、雑所得という扱いになります。雑所得が20万円を超えた場合には確定申告が必要になりますので、十分注意しましょう。